「これから法人契約で部屋を借りる予定だけど…
法人契約の審査ってどんな感じなんだろう?
法人契約でも審査に落ちてしまうのかな?
法人契約の審査について詳しく知りたい!」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
これから法人契約で部屋を借りられる方も多くいらっしゃると思いますが、
- 法人契約ってどんな感じ?
- 法人契約でも審査に落ちる?
- 必要書類や審査期間は?
など…法人契約の入居審査について疑問や不安をお持ちの方も多いと思います。
そこで今回は法人契約の賃貸入居審査について詳しく解説していきます。
- 法人契約でも審査に落ちるのか
- 保証会社の利用について
- 審査に落ちてしまうケース
- 連帯保証人
- 入居者審査
- 審査に必要なもの
- 審査期間
おもに上記7点について詳しく解説をしていきますので、この記事をお読みいただくことで法人契約の審査についてバッチリです!
賃貸の法人契約でも審査に落ちる可能性はある
まず結論としては、
法人契約でも入居審査に落ちる可能性がある
となります。
しかし、
「社宅代行が入る大手企業の法人契約」
では審査に落ちてしまうことはほぼありません。
筆者が勤めているエリアは法人契約が多いエリアとなり、これまでに多くの社宅代行が入る大手企業の法人契約を結んできましたが、審査に落ちてしまうケースは一度もありませんでした。
社宅代行とは、大手企業の代わりに賃貸契約の手続きを代行する会社です。
契約手続きの代行を雇えるくらいの余力がある法人ですから、家賃滞納リスクの心配がない点が審査に落ちることがない大きな理由となります。
問題なのは社宅代行が入らない中小企業の法人契約のケースです。
中小企業の法人契約の場合は審査内容によって審査に落ちてしまう可能性があります。
法人契約の賃貸入居審査では保証会社を利用する?
法人契約の賃貸入居審査の場合は保証会社を利用するケースとしないケースがあります。
社宅代行が入るような大手企業の法人契約では保証会社の利用をパスして入居審査に通過できます。
社宅代行が入るような大手企業の法人契約であれば家賃の滞納のリスクはほぼないですし、保証会社を利用する必要性がないからです。
逆に、大手企業側から「保証会社を利用する契約は不可」という規定があるくらいです。
しかし社宅代行が入らない中小企業の法人契約の場合は、大手企業のように保証会社の利用をパスすることができず、原則として保証会社を利用して入居審査を受ける事になります。
賃貸の入居審査で落ちてしまう法人契約のケース
社宅代行が入らない中小企業の法人契約の場合だと、法人の規模によっては賃貸の入居審査に落ちてしまう可能性があります。
具体的な審査に落ちてしまう理由は下記の3つです。
- 設立したばかり
- 資金力が乏しい
- 帝国データバンクの評点が低い
それぞれひとつずつ詳しく解説していきます。
①設立したばかりの法人
まだ設立して間もない法人の場合は、信用情報の低さから入居審査がNGとなってしまう可能性もあります。
筆者の経験談のお話をさせて頂くと、設立して1年弱の法人で入居申し込みをした際に一度審査がNGとなってしまいましたが、「会社代表者を連帯保証人」とする事で入居審査に通過できたことがあります。
結果としては無事に希望の物件で契約をして頂くことができましたが、設立して間もない法人だと法人契約とはいえ審査がNGとなってしまう事も多いです。
②資金力に乏しい法人
また、資金力に乏しい法人の場合は入居審査に落ちてしまう可能性が高まります。
法人契約の入居審査には、
- 会社謄本
- 決算報告書
などの資金力を確認するための必要書類の提出をお願いされるケースがほとんどです。
会社の資金力と希望する家賃のバランスが悪いと入居審査に落ちてしまう可能性が高いと言えるでしょう。
③帝国データバンクを利用する不動産会社もある
保証会社の審査に加えて、帝国データバンクの信用情報を確認して入居審査を行う不動産会社も存在します。
筆者の不動産会社がまさにそうなのですが、社宅代行が入らない中小企業の場合は保証会社の審査と帝国データバンクの評点〇点以上が必要という審査基準があります。
帝国データバンクの評点が低い法人の場合だと入居審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
法人契約の賃貸入居審査では連帯保証人は必要?
社宅代行が入る大手企業の法人契約では「連帯保証人なし」で審査に通過することができます。
保証会社の項目と同じように大手企業側から「連帯保証人ありの契約は不可」という規定が付いていることがほとんどです。
しかし中小企業の法人契約の場合は、管理会社やオーナー側から連帯保証人を要求されることもあります。
原則として法人契約の場合でも保証会社を利用する不動産会社がほとんどですので「連帯保証人なし」という契約内容が比較的多いですが、設立して間もない法人や資金力に乏しい法人に関しては「保証会社の利用+連帯保証人」での契約となる事もあります。
法人契約の連帯保証人には会社代表者か入居者
法人契約で連帯保証人が必要となる場合には、会社代表者か入居者が連帯保証人となる事がほとんどです。
筆者の不動産会社の例をお出しすると、法人契約で連帯保証人が必要な場合は「会社代表者が連帯保証人」となります。
この点につきましては物件の管理会社やオーナーの意向によって異なります。
入居者自身が連帯保証人となる可能性もありますので、予め把握しておくとスムーズです。
法人契約で入居者の審査は行われる?
法人契約では原則として入居者に対しての審査は行われません。
家賃を支払うのはあくまでも法人となるので、入居者個人の支払い能力等を確認することはありません。
しかしながら、入居者が連帯保証人となる場合は入居者自身の支払い能力等も確認される可能性があります。
また、不動産会社に対する言葉づかいや態度があまりにも悪い入居希望者の場合、家賃保証会社の審査ではなく不動産会社側の審査で落とされる(入居をお断りされる)可能性もあります。
無理に意識をする必要はありませんが、不動産会社へ来店する際は言葉づかいや態度に気を付けるようにしましょう。
賃貸の法人契約の審査で必要なもの
法人契約の賃貸入居審査に必要な書類は主に下記のような書類となります。
- 会社概要
- 会社謄本
- 会社印鑑証明書
- 決算報告書
上記の書類に関しては法人担当者(または社宅代行)が準備する書類となります。
入居者側が準備する書類は下記の通りです。
- 身分証コピー
- 住民票(契約時に必要となるケースがあります)
入居者側で準備しておくべき書類は賃貸入居審査の段階ではありません。
実際に契約の時に住民票が必要になる可能性がありますが、最近では住民票を預かる不動産会社も少なくなりましたので、事前に準備をしておくと無駄手間になってしまうかもしれません。
契約時に必要な場合になったら準備する形が良いでしょう。
また、連帯保証人が必要な契約の場合は「連帯保証人の印鑑証明書」も必要となります。
入居者が連帯保証人となる可能性もありますので、連帯保証人となる場合は印鑑証明書の提出も必要となります。
法人契約の審査期間
賃貸の法人契約の審査期間は3日~1週間ほどです。
法人契約の入居審査の場合、個人契約よりも提出する必要書類が多く、個人契約に比べて入居審査が長くなる傾向があります。
また、社宅代行が入る大手企業の法人契約の場合だと、稟議が下りるまでに時間が掛かったり、審査から契約、契約から鍵渡しまでも時間が掛かることが多いです。
法人契約の場合は審査の結果が出るまで時間が掛かることを事前に把握しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は法人契約の入居審査について詳しく解説いたしました。
主な注意点をまとめますと、
- 法人契約でも入居審査に落ちる可能性がある
- 入居者が連帯保証人となる可能性がある
- 入居審査が少し長引く可能性がある
- 契約手続きに関しては要確認
社宅代行が入る大手企業の法人契約では上記の注意点もほとんど心配がありませんが、中小企業の法人契約の場合はどのような内容での入居審査・契約内容となるのかをしっかり確認しておくと良いです。
この記事が少しでもあなたのお役に立ちましたら幸いです。
皆様のより良いお部屋探し・お引越しを心よりお祈り申し上げます。