「これから賃貸契約を結ぶけど…
鍵交換をしない交渉は可能なのかな?
鍵交換代金を拒否することもできる?
賃貸の鍵交換について詳しく知りたい!」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
賃貸の鍵交換費用の相場は15,000円~20,000円。
決して安い金額ではありません。
この鍵交換をせずに「費用を抑えたい!」とお考えになられる方も多いです。
実際に筆者もお客様から、
「鍵交換をしないで初期費用を抑えたい」
というご要望はよくいただきます。
そこで今回は、
- 鍵交換費用をしない交渉は可能?
- 鍵交換代金を拒否することはできる?
この2点にフォーカスを当てて詳しく解説をしていきます。
この記事をお読みいただければ賃貸の鍵交換について疑問や悩みを解決できますよ!
賃貸の鍵交換をしない交渉は可能?
まずさっそく結論から申し上げますと、
賃貸の鍵交換をしない交渉は可能
となります。
しかしあくまで「交渉は可能」ですので、鍵交換をしない希望を出したからと言って必ず鍵交換をせずに費用を抑えることができるというわけではありません。
鍵交換をしない交渉が通るかどうかは、物件を管理する不動産会社やオーナー次第ということになります。
賃貸の鍵交換をしない交渉が通る可能性は30%ほど
正確な数値データがあるわけではないですが、筆者がこれまでに交渉をしてきた経験からですと、
鍵交換をしない交渉が通る可能性→だいたい30%ほど
となります。
全く交渉が通らないということはありませんが、「鍵交換をしない」という交渉に関しては断りを入れてくる不動産会社が半数以上となります。
ではなぜ多くの不動産会社やオーナーは鍵交換をしない交渉を断るのか。
その理由は大きく2つあります。
鍵交換をしない交渉が通りづらい理由
- 鍵交換をしないと大きなリスクを伴うから
- 鍵交換による売り上げがなくなるから
赤字に変換していますが、特に①の「鍵交換をしないと大きなリスクを伴うから」が非常に大きな理由となります。
下記からは「鍵交換をしないことで起こるリスク」について詳しく解説していきます。
賃貸の鍵交換をしないことで発生するリスク
鍵交換をしなければ鍵交換費用に掛かる費用を削減でき、初期費用を抑えて引っ越しができます。
しかしそれにより非常に大きなリスクが発生することもしっかり理解しておかなければいけません。
発生するリスク
前入居者による空き巣などの犯罪
鍵交換をしないということは、前入居者と同じ鍵をそのまま利用するということです。
原則、前入居者が退去する際には保有していた鍵をすべて回収します。
しかし前入居者がスペアキーを作成している可能性も十分あり、管理会社やオーナーは前入居者がスペアキーをいくつ作成していたのかということまで把握することは困難です。
つまり、前入居者が返却しなかったスペアキーによって空き巣などの犯罪が発生する可能性があります。
このような犯罪に巻き込まれたときに、不動産会社やオーナーも責任を取ることが難しくなりますし、最悪は命の危険もあります。
最悪の事態を避けるために、多くの不動産会社やオーナーは鍵交換をしない交渉を断るわけです。
また、鍵交換をしないことによるリスクについては下記の記事も参考になります。
多くの不動産会社が鍵交換をしないことによるリスクについて回答をしている記事となりますので、よろしければ参考にご覧ください。
賃貸の鍵交換代金を拒否できる?
ここからは少し視点を変えて、
「賃貸の鍵交換代金を拒否できる?」
という点について詳しく解説をしていきます。
じつは賃貸の鍵交換代金について国土交通省のガイドラインでは以下の通りとしています。
入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。
引用:国土交通省ガイドライン
国土交通省のガイドラインでは鍵交換代金は貸主(オーナー)が負担することが妥当としているのです。
ただ、ガイドラインはあくまで「指標」であるため必ず貸主が負担しなければいけない費用ではありません。
実際にガイドラインでは下記のような記述もございます。
「鍵の交換費用は借主負担とする」特約は有効なものとして扱われる
引用:国土交通省ガイドライン
つまり、鍵交換代金を入居者へ請求している不動産会社やオーナーは、賃貸契約の特約として「鍵の交換費用は借主負担とする」文言を追記して契約しているわけですね。
賃貸の鍵交換代金を拒否することは可能
国土交通省のガイドラインにも記載がある通り、本来は鍵交換代金はオーナーが負担することが妥当とされているので、それを理由に拒否することは可能となります。
ただし、鍵交換代金を拒否したことにより、不動産会社やオーナーから「賃貸契約を断られるケース」もあるでしょう。
実際に特約として「鍵の交換費用は借主負担とする」としていれば不動産会社やオーナーは入居者に鍵交換代金を請求することは違法ではないですからね。
ですので断固として鍵交換代金を拒否するというよりも、
「鍵交換代金を貸主負担としてもらえないか」
という交渉をする方が現実的ではあります。
実際に筆者のお客様で、
「貸家の賃貸契約で鍵交換代金をオーナーが負担してくれた事例」
もあります。
- 貸家だったため相場よりも鍵交換代金が高かったこと
- オーナーが良い人だった
という理由もありますが、鍵交換代金を貸主負担にして欲しいという交渉は比較的有効と言えます。
鍵交換費用を貸主負担とする不動産会社も増えている
また、最近は国土交通省のガイドラインどおりに、
「鍵交換費用を貸主負担とする不動産会社」
も増えています。
たとえば大手賃貸ハウスメーカーですと、
- 大東建託
- 東建コーポレーション
の賃貸物件は入居者負担となる鍵交換費用がありません。
また、筆者の勤めている不動産会社の管理物件では、
貸主(オーナー)へ鍵交換代の負担をお願いして鍵交換代無料物件
としてお客様へ紹介をしています。
お客様の印象としても「いいオーナーさんなんですね」という好印象を頂き、気持ち良く契約いただくことが多いですね。
このように、最近は少しずつ鍵交換代を貸主が負担するケースも増えてきました。
ガイドラインどおりに鍵交換費用を貸主負担とする動きは、これからさらに浸透していくのではないかと予想しています。
まとめ
今回は鍵交換をしない・拒否することは可能なのかという点について詳しく解説をしました。
筆者としては、鍵交換をしないということは大きなリスクを伴うことになりますので、費用が掛かっても鍵交換は行うことをおすすめします。
また、「鍵交換をしない交渉」ではなく「鍵交換代金を貸主負担にしてほしい交渉」をすることで、安全面を確保しながら費用も抑えられる可能性があります。
ぜひこの記事を参考に賃貸契約を結んでいただけましたら幸いです。
また、鍵交換費用について重要な4つのポイントを解説している詳細記事がございます。
よろしければ下記の記事も参考にご覧ください。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。