「UR賃貸への入居を検討しているけど…
UR賃貸の審査は厳しいのかな?
UR賃貸の審査について詳しく知りたい!」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
仲介手数料や礼金、更新料が不要なUR賃貸。
さらに審査に関しても、
- 連帯保証人不要
- 保証会社不要
- 高齢者の方の入居可能
- 外国籍の方の入居可能
など…UR賃貸にはさまざまなメリットがあります。
しかしながら、
UR賃貸の審査は厳しめとなります
そこで今回はUR賃貸の審査について詳しく解説をしていきます。
審査の厳しさや入居条件、必要書類などを詳しく解説していきますので、この記事をお読みいただければUR賃貸の審査についてバッチリですよ!
UR賃貸の審査は厳しい
UR賃貸は、
- 初期費用が安い
- 高齢者の年齢制限なし
- 外国籍の方も入居可能
- 連帯保証人不要
- 保証会社不要
上記のような理由から、審査が甘い(誰でも簡単に入居できる)という誤解を招きやすいです。
しかしながら、実際のUR賃貸の審査基準は厳しいものとなります。
特別にUR賃貸の審査が厳しいというよりも、審査が甘いと誤解している方とのギャップが大きいため「より審査が厳しいと感じる」と言った方が正しいかもしれません。
UR賃貸には明確な入居基準がある
UR賃貸は一般的な不動産会社で行われているような入居審査は行われません。
UR賃貸には明確な入居基準があり、その入居基準を満たすことができればUR賃貸に入居することができます。
反対に入居基準を満たせない場合は、UR賃貸に入居することができません。
UR賃貸は入居基準が明確な点はメリットです。
一般的な不動産会社のように不透明な入居審査ではないので、UR賃貸の物件を探す前に
「自分はUR賃貸の入居基準を満たせているか」
を確認することができます。
入居基準を満たしていれば、自分の条件に合うUR賃貸を探していけば問題なく入居することができます。
基準を満たしていない場合は、UR賃貸の物件を早々に諦めることができるので無駄な時間を過ごすことがありません。
UR賃貸の物件を検討されている方は、まずはUR賃貸の物件を検索する前に「入居基準を満たしているか」を確認するべきと言えるでしょう。
では、UR賃貸が予め定めている入居条件はどのようなものなのか。
下記からUR賃貸の入居条件について詳しく解説をしていきます。
UR賃貸の入居条件
UR賃貸にて予め定められている入居条件は大きく5つあります。
- 申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方
- 日本国籍の方、またはURが定める資格を持つ外国籍の方で、継続して自ら居住するための住宅を必要とする方
- 単身者もしくは現に同居し、または同居しようとする親族のある方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が、URが定める入居開始可能日から1か月以内に入居でき、物件内で円満な共同生活を営むことができる方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が暴力団員などではない方
ひとつひとつ詳しく解説をしていきます。
①申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方
UR賃貸では明確な収入による入居基準が設けられています。
★世帯でのお申込みの場合
家賃額 | 基準月収額 |
82,500円未満 | 家賃額の4倍以上 |
82,500円以上20万円未満 | 33万円以上 |
20万円以上 | 40万円以上 |
★単身者でのお申込みの場合
家賃額 | 基準月収額 |
62,500円未満 | 家賃額の4倍以上 |
62,500円以上20万円未満 | 25万円以上 |
20万円以上 | 40万円以上 |
ものすごく厳しい収入基準という訳ではないものの、それなりにしっかりとした収入がある人ではないと収入基準をクリアすることは難しいと思います。
「UR賃貸は審査が甘い(誰でも簡単に入居できる)」
と誤解されていた方にとっては厳しいと感じる方も少なくないはずです。
UR賃貸ではこのように明確な収入基準が設けられていて、上記の基準をクリアしないとUR賃貸には入居することができません。
しかしながら、平均月収額が基準月収額に満たない場合でも、いくつかの特例で入居基準を満たすことができます。
この点に関しましてはまた後述いたします。
まずは残りの4つの入居条件を見ていきましょう。
②日本国籍の方、またはURが定める資格を持つ外国籍の方で、継続して自ら居住するための住宅を必要とする方
UR公式サイトにはなんだか難しく記載されていますが、簡単にお伝えすると、
「日本に住んでいる人で自分が住むための部屋」
であれば基本的にはOKということです。
この入居条件②ではおもに、
「外国籍の方でも入居相談できますよ~」
ということをお伝えする内容です。
また、公式サイトには「単身赴任世帯」などで申し込み者が実際に入居しない場合も入居相談可能としています。
単身赴任世帯の場合、細かい条件もいくつかございますので、まずはUR賃貸センターに入居条件を満たせるかどうか確認することが間違いないでしょう。
③単身者もしくは現に同居し、または同居しようとする親族のある方
これも少し難しく表記されていますが、
「同居される方は原則親族の方でお願いします」
という内容ですね。
友達同士でのルームシェアなどは原則不可ということになります(特例制度のハウスシェアリング対象物件はルームシェア可能)
また、UR公式サイトでは、
親族とは、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある方および6か月以内に結婚する婚約者を含む。)や、6親等内の血族、3親等内の姻族をいいます。
としています。
つまり、カップルの方でも6か月以内に結婚する(ということにしておきましょう)場合は同棲できますのでご安心ください。
④申込者本人を含めた同居世帯全員が、URが定める入居開始可能日から1か月以内に入居でき、物件内で円満な共同生活を営むことができる方
この入居条件④に関しても特に問題はないでしょう。
仮に実際に契約開始日から1か月以内に入居ができなかったとしても、UR側から確認されることはまずないですから。
「物件内で円満な共同生活を営むことができる方」
これはUR賃貸に限らず、全てのアパートマンションでの契約に言えることです。
騒音トラブルやゴミのトラブル、入居者間でのトラブルが発生しないよう、それぞれの世帯が注意して生活をすることはアパートマンションで共同生活を送るうえでとても大切なことです。
⑤申込者本人を含めた同居世帯全員が暴力団員などではない方
⑤の入居条件も問題ないでしょう。
UR賃貸では契約の際に、
「反社会的勢力ではないこと等に関する表明確約書」
に記名・押印する形となっています。
入居条件は①の収入による入居基準が厳しい
以上、UR賃貸の入居条件の5つを解説いたしました。
入居条件5つを細かく見ていくと、入居条件②~⑤に該当して入居条件をクリアできない方はほとんどいらっしゃらないと思います。
問題はやはり①の収入による入居基準でしょう。
しかし、平均月収額が基準月収額に満たない場合でも特例として入居基準を満たすことができる場合もございます。
下記ではその特例について詳しく解説をしていきます。
平均月収額が基準月収額に満たない場合の3つの解決策
平均月収額が基準月収額に満たない場合でも、下記の3つの方法で入居基準を満たすことができます。
- 家賃等の一時払い制度
- 貯蓄基準制度
- 収入基準の特例を受ける
こちらもひとつひとつ解説をしていきます。
家賃等の一時払い制度
一時払い制度とは、一定期間の家賃および共益費を一時払い(前払い)することで、その期間中、割引した家賃等で入居できる制度です。
一時払いする期間は1年から10年間で選ぶことができますので、
「月収金額の基準は満たせないけど、1年分の家賃をまとめて支払える金額はある」
方は一時払い制度を利用することでUR賃貸に入居することができます。
また、一時払いする期間が長いほど割引額が大きくはなりますが、割引額は1%程度なのであまり割引に期待をしない方が良いです。
それよりも「一時払い制度は原則として途中解約できない」というデメリットの方が大きいと感じます。
個人的には月収金額の基準を満たせているのならば、あまり利用をおすすめできる制度ではないですね。
貯蓄基準制度
貯蓄基準制度とは、月収金額の基準を満たせていなくても家賃の100倍の貯蓄額があればUR賃貸に入居できる制度です。
たとえば家賃6万円の物件の場合、貯蓄額で600万円以上あれば月収金額の基準を満たしていなくてもUR賃貸に入居することができます。
すでにお勤めをされていない高齢者の方などは貯蓄基準制度で入居されている方も多いのではないかと思います。
収入基準の特例を受ける
UR賃貸では、その他にも収入基準の特例を設けています。
申込者本人の平均月収額が基準月収額の1/2以上ある場合
- 同居親族の収入と合算して、合計額が基準月収額以上であること
- 平均月収額が世帯用住宅の基準月収額の1/2以上ある同居を伴わない親族から、申込者本人の月額支払家賃不足分の補給を受けられること
- 勤務先から申込者本人の月額支払家賃不足分の補給を受けられること
- 申込者本人の貯蓄額が基準貯蓄額の1/2以上あること
基準月収額の1/2以上ある方の場合、同居者などから不足分を補給されることが証明できればUR賃貸に入居することができます。
また、基準月収額と基準貯蓄額がそれぞれ1/2以上あれば入居条件をクリアできますので、このような特例を受けることで少し収入基準のハードルを下げることができますね。
申込者本人の貯蓄額が基準貯蓄額の1/2以上ある場合
- 同居親族の貯蓄と合算して、合計額が基準貯蓄額以上であること
- 同居を伴わない親族からの貯蓄の補給額と合算して、合計額が基準貯蓄額以上であること
- 申込者本人の平均月収額が基準月収額の1/2以上あること
貯蓄額も1/2以上ある方であれば、親族からの不足分の貯蓄額の補給があることでUR賃貸に入居することができます。
また、先ほどお伝えいたしましたように、基準貯蓄額と基準月収額が1/2以上あればUR賃貸に入居することができます。
申込者本人の平均月収額や貯蓄額が基準月収額および基準貯蓄額の1/2以上ない場合
基準月収額および基準貯蓄額の1/2以上ない方の場合は、原則としてUR賃貸に入居することができません。
ただし、特例として下記の条件に当てはまる方は入居できる可能性があります。
- 高齢者の方
- 障がい者の方
- 父子母子世帯の方
- 学生の方
入居条件は下記のとおりです。
入居条件
- 扶養等親族の平均収入額が基準月収額以上あること、または貯蓄額が基準貯蓄額以上あること
- 扶養等親族が、家賃等の支払について、申込者本人と連帯して履行の責を負うことを確約すること
申込者本人の平均月収額や貯蓄額が基準月収額および基準貯蓄額の1/2以上ない場合に関しましてはその他にも細かい制約がございますので、一度UR賃貸センターにお問い合わせをすることが手違いなく契約まで進めることができるでしょう。
また、高齢者の方の入居条件に関しては下記の記事でも詳しく解説をしています。
よろしければ参考にご覧ください。
就職予定だけど現在収入がない場合は?
現在は収入がないけど、就職・転職先が決まっている方もいらっしゃると思います。
そのような方の場合はUR賃貸が指定する収入証明書を提出することで、収入を証明する書類となります。
ですので、見込みの収入金額が基準月収額をクリアしていればUR賃貸に入居することができます。
無職の方でUR賃貸に入居できる
また、一時払い制度や貯蓄基準制度を利用すれば現在無職の方でも問題なくUR賃貸に入居することができますね。
もちろん、ある程度まとまった金額が必要となりますが、無職というだけで断られてしまう不動産会社も少なくありませんので、一時払い制度や貯蓄基準制度があるUR賃貸は無職の方にとって強い味方と言えます。
UR賃貸の外国籍の方の申込資格
UR賃貸は外国籍の方でも入居相談が可能です。
UR賃貸が設けている外国籍の方の申込資格は、賃貸契約の内容を十分に理解できる方で下記のいずれかに該当される方となります。
外国籍の方の申込資格
- 在留資格が永住者、外交、公用の方
- 特別永住者の方
- 中長期在留者の方
契約内容が理解できる日本語能力、そして主に中長期で在留される方ですね。
上記に該当される方で、その他の収入基準などの入居条件をクリアされる外国籍の方であればUR賃貸に入居することができます。
UR賃貸の入居申し込みに必要なもの
UR賃貸の入居申し込みに必要なものは大きく下記の3つとなります。
- 入居申し込み書の記載
- 住民票の写し
- 収入を証明する書類
収入を証明する書類に関しては、
- 前年分の源泉徴収票
- 本年度の課税証明書または本年度の住民税決定通知書
- 前年分の納税証明書
- 公的年金証書または年金振込通知書等
- 残高証明書 など…
会社員の方・個人事業主の方・年金受給の方・貯蓄基準を利用される方…
それぞれで必要な書類が異なります。
また、平均月収額が基準月収額に満たない方の場合では、家賃補給証明書や貯蓄額補給証明書などの必要書類が必要となります。
事前にUR賃貸センターに確認しておくとスムーズに入居申し込みができるでしょう。
UR賃貸の契約に必要なもの
最後にUR賃貸の契約に必要なものもまとめておきます。
- 敷金・前家賃などの初期費用
- 実印および印鑑証明書
- 本人確認書類
- その他、証明に必要な書類
初期費用に関しては予め金融機関での振り込みとなります。
また、契約予定者本人が来店して、写真付きの本人確認書類(運転免許証など)を提示のうえ、コピーを提出する場合は、印鑑証明書などの提出は必要ありません。
契約の締結場所は、各UR営業センター等となります。
まとめ
今回はUR賃貸の審査について詳しく解説をいたしました。
UR賃貸は収入基準が厳しめですので、低所得者の方の場合だと収入基準をクリアできない可能性もあります。
UR賃貸は入居条件が明確に定められていますので、まずはUR賃貸の入居基準をクリアされているかどうか確認をしてみましょう。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。