「この前部屋探しをしてたら入居が決まっている物件が掲載されてたんだけど…
あれはどういうこと?おとり物件なの??」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
部屋探しをして物件のお問い合わせをしたら、
「お問い合わせをいただいた物件は募集が終了してしまいました」
という返信を受けた人も多いのではないでしょうか?
「なんで終了してる物件を掲載してるんだよ!」
と、お怒りになられる人もいらっしゃると思います。
しかし、賃貸情報サイトの性質上、全ての物件で最新の空室状況を的確に把握して情報を提供することは極めて困難になります。
今回はその理由や掲載終了となるタイミングなどについて詳しく解説をしていきます。
この記事をお読みいただくことで、賃貸情報サイトの仕組みや、募集が終了していても掲載が続いてしまう理由をしっかり理解することができますよ。
入居が決まった物件でも掲載が終了していないこともある
冒頭でもお伝えしたとおり、まず結論としては、
お問い合わせするタイミングによっては入居が決まっている物件でも掲載が終了していないこともあります。
この点を詳しく解説するには、
- お部屋探しユーザー
- 募集物件
- 物件を管理する不動産会社
- 物件を紹介できる仲介不動産会社
- 賃貸情報サイト
上記5つの関係性を明確にする必要があります。
まずは下記の図をご参照ください。
上記のように、スーモやホームズなどの大きな賃貸情報サイトには、多くの「物件Aを紹介できる仲介不動産会社」が物件Aを紹介しています。
そのため、同じ物件Aなのにいくつも物件情報が出てきてしまうことは皆さん経験があるかと思います。
出典:SUUMO ※画像を一部加工して引用しています
リアルタイムで正しい空室情報を把握できるのは物件を管理する不動産会社だけ
改めて先ほどの図をお出ししますが、
リアルタイムで正しい空室状況を把握できるのは、物件を管理する不動産会社だけということが分かります。
その他の物件Aを紹介できる仲介不動産会社は、管理会社に都度最新の空室状況を確認し、賃貸情報サイトへ物件情報を更新していく…といった形ですね。
もちろん空室状況だけではなく、家賃などの変更があった際も管理会社に確認して賃貸情報サイトへ正しい情報を更新しなければいけません。
物件を掲載する仲介不動産会社も結構大変…ということがお分かりいただけるかなと思います。
物件の募集が終了しても紹介する仲介不動産会社が掲載終了にしない限り、延々と掲載され続けることになる
つまり、紹介する仲介不動産会社がいつまで経っても管理会社に正しい空室状況の確認を怠って賃貸情報サイトへ正しい情報を更新しないと「すでに入居が決まっている物件でも延々と賃貸情報サイトに掲載され続けてしまう」ことになります。
よって、お部屋探しユーザーが賃貸情報サイトで物件を閲覧するタイミングによっては「すでに入居が決定している物件」も存在する可能性がありますね。
たとえば上記の画像のように仲介不動産会社Dが物件Aの入居申し込みを受けて物件Aの入居が決定。
しかしそのタイミングでは管理会社と不動産会社D以外の「仲介不動産会社A.B.C」は、まだ物件Aが決定したという事実を把握できていません。
このタイミングでお部屋探しユーザーが不動産会社Bへ物件Aのお問い合わせをすると、
「お問い合わせをいただいた物件は先ほど募集が終了してしまいました」
となり、
「すでに入居が決まっているのに物件が掲載されていた!おとり物件だ!!」
なんてことになってしまうのですね。
つまり、仲介不動産会社が掲載している物件情報は少なからずタイムラグが発生してしまい、
「悪意はないものの、結果的にはおとり物件のような形になってしまう」
ケースも少なくありません。
もちろん上記のようなケースを少なくするために仲介不動産会社も最新の空室状況を随時確認していますが…
膨大な数の物件がありますから、それら全てを正しい空室状況に更新し続けるのはさすがに厳しいです。
関連記事>>おとり物件とは?7つの重要ポイントを賃貸営業マンが徹底解説!
掲載終了のタイミングは仲介不動産会社が管理会社に空室状況を確認して入居決定を確認した時
ということで、賃貸情報サイトにある物件情報の掲載終了のタイミングは「物件紹介をする仲介不動産会社が最新情報へ更新した時」となります。
入居が決定したら掲載が勝手に終了する訳ではない点に注意が必要です。
多くの不動産会社が物件を掲載している大手賃貸情報サイトでは、このようなタイムラグによる「入居が決まっているのに掲載されていたケース」は必然的に多くなります。
これは賃貸情報サイトの性質上、ある程度は仕方がないと言えますが、賃貸情報サイトの今後の課題とも言えるでしょう。
入居決定のタイミングは入居申し込みが入った時
ちなみに、管理会社が入居決定とするタイミングは基本的に入居申し込みが入った時です。
たまに「内見予約をすれば仮押さえできる」と勘違いされている人もいらっしゃいますが、内見予約だけでは賃貸物件を仮押さえすることができない点にご注意ください。
この点につきましては「【なぜ?】内見予約したのに掲載終了に…賃貸営業マンが詳しく解説します」にて解説していますので、よろしければ参考にご覧ください。
物件の管理会社の情報サイトは情報が新鮮
反対に、掲載されている物件数は少なくなるものの、空室状況をリアルタイムでお伝えできるのが物件の管理会社が提供している情報サイトです。
たとえば積水ハウスのシャーメゾンサイトだったり、大和ハウスのD-roomサイトや大東建託のDKSELECTサイトなどですね。
スーモやホームズのように多くの不動産会社の物件を一括りにして検索できないものの、
「僕は積水ハウスのシャーメゾン限定で探している」
「私は大和ハウスのD-room限定で探している」
上記のような人は、直接シャーメゾンやD-roomの情報サイトを確認した方が空室状況や家賃などの間違いない情報を手にすることができます。
AI機能でおとり物件を削減している賃貸アプリ
また、
「おとり物件に惑わされたくない!」
という人には、AI機能でおとり物件を大幅削減している賃貸アプリサービス「カナリー」がおすすめです。
カナリーはAI機能によるおとり物件を大幅削減しているだけではなく、
- 大手賃貸情報サイトを網羅して物件数が豊富
- アプリ内で内見予約まで完結
- App Storeレビュー★4.8
上記のようなメリットもあります。
アプリサービスの利用は無料ですので、よろしければ一度カナリーを利用してみてください。
さらに詳しくカナリーを知りたい人は下記の記事もチェック!
まとめ
今回は入居が決まったのに掲載されているケースを詳しく解説いたしました。
賃貸情報サイトの性質上、全ての物件で正しい空室状況で掲載できる訳ではありません。
悪質なおとり物件という可能性も0ではないものの、近年では悪質なおとり物件は少しずつ少なくなっているのではないかと思います。
また、AI機能によっておとり物件を削減するカナリーのようなサービスも出てきており、賃貸情報サイトの課題と言えるタイムラグも今後はどんどん良化していくでしょう。
また、下記の記事ではおとり物件が少ないサイトを10社紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。