「先日不動産屋で部屋探しをしたけど…
初期費用が高すぎて断念した。
どうしてあんなにお金かかるの?
安くする方法はある?」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
これから賃貸物件のお引越しを検討されている方も多いと思います。
しかし賃貸物件のお引越しには、
- 賃貸契約の初期費用
- 引っ越し業者費用
- 家具家電費用
など…多くの費用が発生します。
特に賃貸契約の初期費用は賃料の4か月分~6か月分ほど掛かり、新築物件や人気の物件では賃料の7か月分以上の費用が掛かってしまうこともあります。
そこで今回は、なぜ賃貸のお引越しにはこんなにお金が掛かってしまうのかを解説しつつ、少しでも安く抑える方法を7つお伝えしていきます。
これからお部屋探しを始める方はぜひ最後までお読みいただけましたら幸いです。
なぜ賃貸の初期費用は高額になるのか
冒頭でもお伝えしたとおり、賃貸契約のお引越しには、
- 賃貸契約の初期費用
- 引っ越し業者費用
- 家具家電費用
上記の費用が発生しますが、その中でも圧倒的にお金が掛かるのが賃貸契約の初期費用です。
引っ越し業者費用や家具家電費用は、
「引っ越し業者は使わずに家族に手伝ってもらう」
「家具家電は今使っているものをそのまま使う」
という人も多く、費用が掛からない人もいらっしゃいますが、賃貸契約の初期費用はそうはいきません。
賃貸契約の初期費用は基本的に7項目の費用が発生する
賃貸契約の初期費用では、
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 家賃保証会社費用
- 鍵交換費用
上記7つの項目費用が発生するのが一般的です。
具体例を一つあげますと、
★具体例:賃料6万円・敷金1ヵ月・礼金1ヵ月・9月21日から契約開始
敷金 | 60,000円 |
---|---|
礼金 | 60,000円 |
前家賃(9月分日割) | 20,000円 |
前家賃(10月分) | 60,000円 |
仲介手数料 | 66,000円 |
火災保険料 | 15,000円 |
保証会社費用 | 30,000円 |
鍵交換費用 | 16,500円 |
合計 | 327,500円 |
火災保険や保証会社費用、鍵交換費用は相場の金額で計算
上記のとおりとなり、おおよそ賃料の5か月分の初期費用となります。
もちろん物件によっては礼金なしだったり、鍵交換費用や保証会社費用が掛からない物件、仲介手数料が安い不動産会社など、何かしらの項目費用が発生しない物件も存在します。
しかし、7つの項目の全ての費用が0円になる物件を見つけることは極めて困難と言えます。
敷金礼金なしの物件でも賃料の4か月分の初期費用が発生する
近年は敷金礼金なしの物件も多くなりました。
敷金礼金なしの物件を選択することで、初期費用は多少安くなるものの、それでも賃料の4か月分ほどの初期費用が掛かります。
★具体例:賃料6万円・敷金なし・礼金なし・9月21日から契約開始
敷金 | 0円 |
---|---|
礼金 | 0円 |
前家賃(9月分日割) | 20,000円 |
前家賃(10月分) | 60,000円 |
仲介手数料 | 66,000円 |
火災保険料 | 15,000円 |
保証会社費用 | 30,000円 |
鍵交換費用 | 16,500円 |
退去時クリーニング代 | 50,000円 |
合計 | 257,500円 |
退去時クリーニング代などは相場の金額で計算
敷金礼金はなくなりましたが、代わりに退去時のクリーニング代が含まれています。
これは敷金は「退去時の費用や家賃の滞納などに充てられる費用」なので、敷金が無くなったことで退去時のクリーニング代を前払いする必要があるためです。
そのため、敷金がなくなっても意外と初期費用表が安くならない仕組みとなっています。
不動産会社によっては退去時のクリーニング代を前払いせずに退去時に支払うケースもありますが、どちらかと言えばクリーニング代を前払いする不動産会社が多いです。
関連記事>>敷金はあったほうがいい?敷金の値引き交渉はあまり意味がない
オプション商品が付くと10項目の費用が発生することも
さらに不動産会社によっては、
- 24時間トラブルサポート
- 室内消毒代
- 消火剤
上記3つのようなオプション商品が発生する場合も少なくありません。
敷金 | 60,000円 |
---|---|
礼金 | 60,000円 |
前家賃(9月分) | 20,000円 |
前家賃(10月分) | 60,000円 |
仲介手数料 | 66,000円 |
火災保険料 | 15,000円 |
保証会社費用 | 30,000円 |
鍵交換代 | 16,500円 |
24時間サポート | 16,500円 |
室内消毒代 | 16,500円 |
消火剤 | 5,500円 |
合計 | 366,000円 |
オプション商品などは相場の金額で計算
オプション商品が発生する物件の場合だと賃料の6か月分前後の初期費用となってしまうケースも多くなります。
また、不動産会社によってはオプション商品だけで5万円以上となる場合もあり、かなり高額な初期費用となってしまうため注意が必要です。
お金かかりすぎな賃貸のお引っ越しを安くする7つの方法
ここからは賃貸のお引越しにかかる費用を少しでも安くする7つの方法をお伝えしていきます。
お伝えする7つの方法は下記のとおりです。
- 敷金礼金なしの物件を選択
- 仲介手数料が安い不動産会社を使う
- 初期費用割引キャンペーン物件を狙う
- ビレッジハウスの物件にする
- 初期費用を分割後払いにする
- 引っ越し業者は必ず相見積もりを取る
- 家具家電付きの物件を選択する
それぞれ詳しく解説していきます。
1.敷金礼金なしの物件を選択
高額となりやすい賃貸契約の初期費用を抑えるには「敷金礼金なしの物件」は必須です。
特に礼金は敷金と違い、退去時の費用などに充てることができない完全に不要な費用であるため、初期費用を抑えたいのであれば少なくとも礼金なしの物件を選択するようにしましょう。
また、敷金なしの物件で退去時のクリーニング代を後払いにできる物件であれば、初期費用をさらに抑えることができます。
2.仲介手数料が安い不動産会社を使う
仲介手数料は借主(入居者)と貸主(オーナー)を仲介する不動産会社に支払う費用です。
仲介手数料は仲介不動産会社側で自由に設定するできるのが一般的です(宅建業法により上限は賃料の1ヶ月+税)
そのため、仲介手数料が安い不動産会社を利用することで仲介手数料を安く抑えることができます。
どこの不動産会社が仲介手数料安いか分からない!
このような方に下記の記事では仲介手数料が安い不動産会社を7社ご紹介していますので、よろしければ参考にご覧ください。
【賃貸営業マンおすすめ】仲介手数料が安い不動産屋5選!【最大無料】
「仲介手数料が安い賃貸不動産屋ってどこだろう? 仲介手数料が安い賃貸不動産屋について知りたい!」 このような疑問にお答えします。 筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も[…]
3.初期費用割引キャンペーン物件を狙う
賃貸物件の中には初期費用の割引キャンペーンが行われている物件もあります。
- フリーレント(前家賃無料)
- 仲介手数料無料
- 鍵交換費用無料
など…初期費用の割引キャンペーンが行われている物件を狙うことが初期費用を安く抑えるもっとも有効な方法と言えます。
ちなみに筆者は賃貸営業マンとして1000件以上契約をしてきましたが、その中でもっとも安かった初期費用が、
敷金 | 0円 |
---|---|
礼金 | 0円 |
前家賃(9月分日割) | 0円 |
前家賃(10月分) | 0円 |
仲介手数料 | 0円 |
火災保険料 | 15,000円 |
保証会社費用 | 0円 |
鍵交換費用 | 0円 |
合計 | 15,000円 |
- 敷金礼金なし
- 仲介手数料貸主負担で無料
- フリーレント2か月
- 家賃保証会社費用貸主負担で無料
上記の初期費用割引キャンペーン物件で「火災保険料のみ15,000円」でした。
このような格安な初期費用となるキャンペーン物件は稀ですが、あまりにも安すぎる物件の場合は「何か大きな悪条件がある物件かもしれない」ので、なぜ安いのかをしっかり確認した方が良いでしょう。
4.ビレッジハウスの物件にする
ビレッジハウスは2016年に設立したまだ新しい不動産会社です。
旧雇用促進住宅約10万戸を一括買収したことでコストを抑え、初期費用や家賃を安くしています。
ビレッジハウスの物件は、
- 敷金礼金なし
- 仲介手数料なし
- 更新料なし
- 鍵交換費用なし
- 家賃保証会社費用なし
- 3万円割引キャンペーン
となり、格安な初期費用で契約が可能です。
たとえば50,000円の賃料の場合、現在行われている引っ越しサポート最大30,000円キャンペーンも利用すれば初期費用が日割り賃料の2,260円のみで入居が可能となります。
一般的な賃貸物件と比較した初期費用計算表を作成しましたので参考にご覧ください。
★一般的な賃貸物件とビレッジハウスの初期費用比較 | ||
初期費用項目 | ビレッジハウス | 一般的な賃貸物件 |
敷金 | 0円 | 50,000円 |
敷金 | 0円 | 50,000円 |
当月賃料 | 32,260円 | 32,260円 |
翌月賃料 | 50,000円 | 50,000円 |
仲介手数料 | 0円 | 55,000円 |
火災保険 | 0円 | 20,000円 |
家賃保証会社費用 | 0円 | 25,000円 |
鍵交換代 | 0円 | 16,500円 |
24時間サポート | 0円 | 16,500円 |
室内消毒代 | 0円 | 16,500円 |
フリーレント1ヵ月 | -50,000円 | – |
3万円キャンペーン | -30,000円 | – |
合計 | 2,260円 | 331,760円 |
※当月賃料は10日から入居開始の場合で計算
※東日本エリアの場合は別途火災保険料10,000円が掛かります
ただしビレッジハウスには、
築年数が古い物件が多い
短期解約違約金が高い
上記のデメリットも存在します。
築年数が古くても問題なく、長期間の入居を希望される人にはおすすめな不動産会社ですので、よろしければチェックしてみてください。
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詳細記事>>【初期費用5万円以下】家賃も格安なビレッジハウスの重要な10のポイント!
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5.初期費用を分割後払いにする
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初期費用を分割後払いにすることで、ひとまず契約時の初期費用を0円にする方法もあります。
初期費用を分割後払いにしたい人におすすめなのがスムーズです。
スムーズは分割後払いに対応していない不動産会社の物件でも、分割後払いで初期費用を支払うことが可能となります。
つまりスムーズならどんな物件でも初期費用0円で契約することができます。
さらにスムーズのすごいところは、6回払いまで分割手数料が0円で利用できる点です。
出典:スムーズ公式サイト
スムーズは12回払い・24回払いにも対応していますが、年率14%の手数料が発生してしまいますので、6回払いまでの利用にとどめておくとスムーズを無料で利用することができます。
ただし、
根本的には初期費用は安くなっていない
スムーズの利用にも審査がある
上記の点には注意が必要です。
とはいえ、どんな物件でも分割手数料なしで後払いにできるので、初期費用を分割払いにしたい人はスムーズの利用を検討してみてください。
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詳細記事>>【手数料なし】賃貸の初期費用を分割後払いできるスムーズとは?口コミ評判を含めた7つのポイント!
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6.引っ越し業者は必ず相見積もりを取る
引っ越し業者を利用する方は1社だけではなく、複数社見積もりを取るようにしましょう。
筆者は過去に7社に見積もりを取ってもらい、22万円から11万円まで引っ越し業者費用を抑えることができました。
引っ越し業者の見積もりを複数社取るには一括見積もりサービスが便利です。
中でも【SUUMO引越し見積り】は電話番号の入力不要で複数社見積もりが取れますのでおすすめですよ。
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7.家具家電付きの物件を選択する
家具家電を購入予定の方の場合、家具家電付き物件を選択することで購入費用をなくすことができます。
家具家電付き物件は、すでに家具家電が付いているメリットもありますが、退去時にそのまま家具家電を置いていけるメリットも大きいです。
自分で家具家電を買い揃えると、退去するときに大変になりますからね。
家具家電付き物件といえばレオパレスが有名です。
レオパレスは初期費用も比較的安く、トリプルゼロ物件(敷金礼金鍵交換費用なし)ならさらに初期費用は安くなります。
とはいえ、騒音トラブルのデメリットもあるので、おすすめしづらい点もあります。
単身者の方ならシェアハウスもおすすめになります。
シェアハウスは初期費用が10万円以下で抑えられて、さらに家具家電付き物件がほとんどとなるので、引っ越し費用を抑えたい人にはおすすめです。
下記の記事ではおすすめのシェアハウス会社を紹介していますので、興味がある方は参考にしてみてください。
賃貸プロが教えるシェアハウス運営会社おすすめランキングTOP7
まとめ
今回は賃貸の初期費用が高い理由や、初期費用を安く抑える方法をお伝えしました。
新築の物件や人気物件ではなかなか初期費用を安く抑えることは難しいです。
しかしそれでも仲介手数料が安い不動産会社を利用したり、初期費用を分割後払いすることで負担を軽くすることができます。
また、物件の質よりも費用重視でお探しの人であれば、初期費用割引キャンペーン物件を狙うのも良いでしょう。
当記事が少しでもあなたのお役に立ちましたら幸いです。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。