「現在部屋探しをしているけど…
礼金って意味不明すぎる…
礼金を払う意味ってあるの?」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
賃貸契約の初期費用で発生してくる「礼金」。
この礼金について
「意味不明すぎる…」
「礼金って払う意味はあるの?」
と感じている方も多いのではないでしょうか?
結論を先に申し上げますと、
「礼金は昔ながらの悪習で、入居者に取っては意味のないもの」
となります。
入居者側が「意味不明すぎる…」と感じることはむしろ当然というべきでしょう。
今回は現場に精通している賃貸営業マンがこの意味不明な礼金を詳しく解説していきます。
そして、礼金に対して、
- どのように考えるべきか
- どのように対処すべきかをお伝えして皆様の悩みや疑問を解決させていただければと思いますので、是非最後までお読み頂けますと幸いです。
礼金って意味不明!悪習と言われる礼金
礼金って意味不明!
礼金が意味不明だと感じるのも無理はありません。
実際に入居者側からしたら、
「部屋を借りてあげる」
という意識を持たれている訳ですから、至極当然なことです。
「ただでさえ毎月家賃や共益費を払うのに、何で契約時にも意味不明なお金を支払わなくちゃいけないんだ?」
そう考えれば考えるほど、本当に礼金って意味不明な感じになっていきますよね…
しかし実はこの考えって、昔はあまり無かった考えだったんですよ。
悪習と言われる礼金
なぜ昔は礼金を払う事に対してネガティブな発想が無かったのか?
それは一昔前までは賃貸物件に対して需要過多だったからです。
つまり、多くの入居者が賃貸物件を求めていたわけです。
多くの入居希望者がいれば、オーナー側は当然強気になります。
そしてその強気の表れこそが「礼金」という訳です。
需要過多だった一昔前は礼金1ヵ月2ヵ月は当たり前。
しかしそれでも賃貸契約は次々に結ばれていた時代だったんですね。
こうした一昔前の悪習が、今もなお引き継がれているという訳です。
礼金はもう古い
主に相続税対策として次々に新築のアパートマンションが建築されるようになった昨今。
賃貸物件に対して需要過多だった時代はとうに過ぎ去り、現在は供給過多で昔は強気一辺倒だったオーナー側が苦しくなってきた時代となっています。
実際に現代のお部屋探しユーザーは豊富な物件情報の中から、少しでも良い物件を探そうと賃貸情報サイトを複数駆使したり、多くの不動産会社へ来店していますよね?
礼金をバンバン付けても簡単に入居者が決まっていた時代はもう終わっているのです。
こうした入居者側が強くなった現代の中で、
「礼金って意味不明すぎる…」
と、入居者側が感じるのは当然な事なのです。
礼金を払う意味はない
賃貸営業マンである筆者が言うのもあれですが、礼金を支払う意味はないです。
そもそも礼金というのは、オーナーに対してのお礼金です。
「お借りします」というお礼の意味を込めたお金ですので、退去する時にも礼金は返ってくることはありませんし、礼金を払ったからといって何か特別な恩恵を受けれるわけでもありません。
ちなみに、その他の賃貸契約で支払う初期費用の項目は、全て何かしら入居者側に取って意味のある費用となっています。
敷金 | 主に退去時の原状回復に使われる。家賃滞納などでも使われる |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う賃貸契約手数料 |
保証会社費用 | 家賃保証会社に支払う費用 |
火災保険 | 火災保険料 |
鍵交換費用 | 鍵を新しいものに取り換える費用 |
24時間トラブルサポート | 24時間の緊急トラブルサポート費用 |
室内消毒代 | 室内の消毒や害虫駆除などのサービス |
こうしたその他の初期費用とも比較すると、ますます礼金の意味不明さが浮き彫りになっていきます。
それでもなぜ礼金が付く物件があるのか
供給過多となり、オーナー側の立場が弱くなった昨今。
賃貸物件の初期費用は「敷金礼金0円!」の「ダブル0物件」というものが多くなってきました。
大手ハウスメーカーの物件でも、こうしたダブル0物件は多く見られるようになってきています(大東建託など)
しかし、いくら供給過多と言っても、市場と比べて価値の高い物件というものは存在します。
一番分かりやすい例で言うと、新築の物件ですね。
特にハウスメーカー新築物件は最低でも礼金1ヵ月という物件が多いです。
さらにその中でも積水ハウスの新築物件は礼金2ヵ月スタートです。
その他にも駅近で非常に条件が良い物件だったり、人気が高い物件は礼金が付きやすくなっています。
礼金を支払う唯一のメリットとは?
礼金を支払う意味はないですし、メリットもほぼ無いのですが、無理矢理メリットとして挙げるのであれば、
礼金が付く=人気が高い・質が高い物件=安心感
礼金が付いている物件は人気が高い物件であったり質が高い物件であることが多いです。
なぜなら現代の供給過多において、人気のない物件・質の低い物件に礼金を付けても入居者が一生決まることはなく、礼金を外さざるを得ないからです。
すなわち礼金が付いている物件は人気が高く・質が高い物件である可能性が高いので安心感を得られるというメリットはあるかもしれません。
例えばハウスメーカーの中でも特にグレードが高い積水ハウスのシャーメゾンや、大和ハウスのd-roomは礼金が付いている物件が非常に多いですが、その分大手ハウスメーカーの安心感は買えていると思います。
礼金は絶対に交渉しよう
さて、ここまでお読み頂けました方なら、いかに礼金が不要であるかお分かりいただけたと存じます。
そしてオーナー側も「礼金は絶対になくてはならない費用」でもありません。
言うなればオーナーのエゴで発生している金額ですので、実は意外と交渉をすれば礼金を外せたり、割引することが出来るのです。
ただ、新築だったり市場と比較して非常に価値の高い物件の場合など、当然全く交渉が利かない物件もありますが、交渉自体はタダで出来ます。
ダメ元でも礼金は交渉するべき
新築でも決まりが遅い物件に関しては、礼金が2ヵ月→1ヵ月となったり、1ヵ月→0.5ヵ月など、半額になったケースを筆者は何度も交渉経験があります。
そしてオーナー側(管理会社)に交渉するのは担当する賃貸営業マンです。
担当の営業マンと良好な関係を築くことが、礼金交渉を成功させる一番のコツとなります。
関連記事>>礼金交渉で失敗しない4つのコツ!【賃貸営業マンが教えます】
礼金って意味不明!まとめ
今回は「礼金って意味不明!」という点に特にフォーカスを当てて礼金について解説いたしました。
礼金は入居者にとって意味をなさない費用となりますが、
礼金が付いている物件は安心感が買える
礼金が付いている物件は絶対に交渉する
上記のように考え、対応することで「意味不明すぎる…」礼金とも少しは上手く付き合えるのではないかと思います。
また、礼金に関しては下記の記事でも解説していますのでよろしければ参考にご覧ください。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。