「賃貸契約の礼金って高い…」
「礼金の交渉をしたいけど、上手に交渉するにはどうすればいいのかな?」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
賃貸契約の初期費用で発生する礼金。
高いですよね。
この礼金をうまく値引き交渉できたら良いですが、礼金交渉に不安を感じる人がほとんどだと思います。
そこで今回は現場に精通している賃貸営業マンの筆者が、
礼金交渉で失敗しない4つのコツ
をお伝えしていきます。
この記事を読めば礼金を上手に交渉することができるようになりますよ!
礼金とは
上手な交渉方法をお伝えする前に、まずは礼金について簡単にご説明いたします。
礼金とは貸主(オーナー)に支払うお部屋を借りるためのお礼金です。
しかしながら、需要と供給のバランスが昔と大きく異なる現在では「礼金って意味不明」と感じる方も少なくないでしょう。
賃貸物件が今よりも少なく需要が多かった一昔前は礼金は当たり前となっていましたが、需要よりも供給が多くなった現在では礼金なし物件も多く見られますね。
ちょっと極端かもしれませんが、一昔前は「貸主が入居者を選ぶ時代」と言え、現在は「入居者が物件を好きに選べる時代」とも言えます。
ちなみに礼金は、敷金とは異なり返金がないお金となります。
敷金と礼金とでは大きく意味合いが異なるお金となりますので、最低でもこの2つはしっかり理解して賃貸契約を結びたいところです。
関連記事>>礼金って意味不明!悪習と言われる礼金を払う意味はあるの?
関連記事>>敷金はあったほうがいい?敷金の値引き交渉はあまり意味がない
礼金交渉で失敗しない4つのコツ!
そんな入居者にとって無駄な礼金を上手に値引き交渉できれば、お得に賃貸契約を結ぶことができます。
礼金交渉で失敗しないためのコツを4つにまとめました!
- 礼金交渉のタイミング
- 入居意思をハッキリ伝える
- 具体的な提案を出すと◎
- 礼金交渉は営業マンと良好な関係を築くことが大事
一つひとつ詳しく解説していきます。
①礼金交渉のタイミング
礼金交渉のベストなタイミングは、内見が終わり最終的な話の段階に入ってからとなります。
注意点としては、内見時に「この物件に決めよう!」と決心してもすぐに「この物件に決めます」と伝えないことです。
担当の営業マンに「あと一押しがあれば決めてくれそうだ…」と思わせられればベストですね。
②入居意思をハッキリ伝える
礼金交渉のタイミングになったら担当の営業マンに礼金交渉を持ち掛けましょう。
この際に重要なことは、入居意思をハッキリ伝えることです。
入居意思をハッキリ伝えないと、通るはずの礼金交渉も通らない事になってしまいます。
ここで悪い礼金交渉例と良い礼金交渉例をお伝えいたします。
★悪い交渉例
「今日見た物件の中では2番目の物件が良かったです。
2番目の物件の礼金って割引できますか?
礼金の交渉をお願いしたいんですが…」
★良い交渉例
「2番目の物件がすごい気に入ったのですが、初期費用が少し厳しくて…
礼金の割引ができれば2番目の物件で契約したいです。
礼金の交渉はできますでしょうか?」
最終的に礼金の割引を決定するのは担当の営業マンではなく管理会社(オーナー)で、礼金交渉をするのはあなたではなく担当営業マンです。
良い交渉例のように「礼金の割引ができれば契約します」と入居意思をしっかりと伝えれば、担当の営業マンもオーナーや管理会社に交渉をしやすくなります。
入居するのかしないのか曖昧な悪い例では担当の営業マンも交渉を持ちかけづらく、管理会社(オーナー)に相手にされないケースが多いです。
何でもかんでも交渉するのではなく、しっかりと意思を固めた上で交渉を持ちかけるようにしましょう。
ハッキリと入居意思を伝えれば、担当の営業マンも熱心に交渉してくれますし、オーナー側もしっかり礼金の値引きを検討してくれます。
③具体的な提案を出すと◎
ハッキリとした入居意思を伝えるとともに、具体的な提案を出せればなお良いです。
3つ具体的をお出しします。
短期違約金を提案
しばらく入居する予定がある方は「短期違約金」を提案するのも手です。
短期違約金とは、短期間で退去となった場合に違約金を支払うというもの。
相場は「1年未満の解約で賃料1ヵ月分の短期違約金」ですので、1年以上入居する予定の方は短期違約金を持ちかけることで礼金交渉が通りやすくなります。
オーナー(管理会社)も、長く住んでもらえる事が何より嬉しいですからね。
家賃を上げる
逆に短期間の入居予定の方は、家賃を上げて礼金交渉をするという手もあります。
2000円3000円の家賃を上げて、礼金を外してもらった方が初期費用が抑えられて良いという方も少なくないでしょう。
即入居
もともと早めに引っ越しをしたいという方はぜひ「即入居」の提案も含めて礼金交渉を行ってください。
オーナー(管理会社)としては新しい入居者が即入居してくれればそれだけ早く家賃収入を得ることができますから、即入居に関しては基本歓迎されます。
「即入居してくれるなら…礼金外してもいいよ!」
このようにオーナーから承諾が下りて礼金交渉が成功した例は数多くあります。
④礼金交渉は営業マンと良好な関係を築くことが大事
礼金交渉は入居者が直接オーナーと交渉をするわけではありません。
入居者とオーナーとの間に仲介業者である営業マンが入って礼金交渉を行います。
つまり担当の営業マン次第で結果が変わってくるという事もあるのです。
担当の営業マンと良好な関係を築くことで、担当の営業マンも親身になって一生懸命に礼金交渉を行ってくれるはずです。
- 礼金交渉のタイミング
- 入居意思をハッキリ伝える
- 具体的な提案を出すと◎
上記3つの礼金交渉のコツももちろん大事ですが、それ以上に担当の営業マンと良好な関係を築くことも大切です。
礼金交渉の成功率をさらに上げる2つの要素
ここからはさらに礼金交渉の成功率を上げる2つの要素もお伝えいたします。
閑散期
賃貸物件は時期によって大きく動きが異なります。
1年の賃貸物件の動きをまとめると下記のとおりとなります。
1月 | 繁忙期 |
---|---|
2月 | 繁忙期 |
3月 | 繁忙期 |
4月 | やや繁忙期 |
5月 | 平常 |
6月 | 平常 |
7月 | 閑散期 |
8月 | 閑散期 |
9月 | やや繁忙期 |
10月 | 平常 |
11月 | 平常 |
12月 | 平常 |
閑散期となる7月8月は空室リスクが高まるので礼金交渉や家賃交渉が通りやすくなる時期となります。
賃貸契約に掛かる費用を抑えたい場合は7月8月のお部屋探しが最も安くできる可能性が高いです。
反対に1月~4月の繁忙期は空室リスクが低く、オーナー側も強気になれる時期ですので礼金交渉などが通りづらくなる時期となります。
管理物件(専任媒介物件)
礼金交渉の成功率を上げる2つめの要素は、希望する物件が来店している不動産会社の管理物件(専任媒介物件)であるかどうかです。
管理物件とは、来店してる不動産会社が募集から建物の管理まで行っている物件の事で、専任媒介物件はオーナーから専任で募集を預かり募集窓口となっている物件です。
このような物件を一括りに自社物件とも言います。
管理物件も専任媒介物件も、来店している不動産会社が直接オーナーとやり取りできる物件となっているため、礼金の交渉が通りやすくなります。
このように来店している不動産会社の自社物件を狙う事で、礼金交渉に限らずさまざまな交渉が通りやすくなるでしょう。
礼金交渉が通りやすい物件
物件によっても礼金交渉が通りやすい物件があります。
礼金交渉が通りやすい物件
- 築年数が古い物件
- 募集条件が悪い物件
- 空室期間が長い物件
一つひとつ詳しく解説していきます。
築年数が古い物件
築年数が古いと言ってもどのくらいの年数かというのは具体的に難しいですが、だいたい築20年以上の物件なら礼金交渉が通る可能性は高いと言えます。
ただやはり、戸建てタイプや分譲マンションなど類似物件が少ない物件だと礼金交渉は通りづらくなりますので注意です。
募集条件が厳しい物件
駅から非常に離れている物件や、エアコンが付いていない物件、間取りに難がある物件など…
募集条件が厳しい物件も礼金の交渉が通りやすいです。
また、相場と比べて家賃が高いなど…
近隣の物件相場を把握しておくことも重要になります。
空室期間が長い物件
空室期間が長い物件は管理会社やオーナーがとても困っている物件となります。
そのような物件に礼金が付いている場合はかなりの確率で礼金交渉が通りやすい物件です。
空室期間は物件資料などでは確認ができない事がほとんどですので、営業マンに確認しましょう。
礼金交渉は新築でも可能
新築の物件は礼金交渉が通りづらいですが、全く通らないわけではありません。
近年は敷金礼金なしのダブル0物件が多くなり、新築は初期費用の面で決まりづらくなってきています。
さらに相続税対策などで近年アパート・マンションが多く建築されていることもあって、新築自体の魅力が薄れているという点もあります。
このような背景から、新築物件の決まりが鈍くなり、新築物件でも礼金交渉が通ることも珍しくありません。
新築の物件だからといって諦めず、ダメ元でも礼金交渉を持ちかけることをおすすめいたします。
礼金交渉が駄目でもその他の費用の交渉をする
上手に礼金交渉をしたとしても、必ず礼金交渉が通るわけではありません。
しかし礼金交渉が通らなかったからと言って諦めてはいけません。
礼金はダメでも、その他の部分で割引をしてくれる可能性は十分あります。
- フリーレント
- 付帯商品
- 家賃
- 建物設備
それぞれ解説していきます。
フリーレント
フリーレント(前家賃無料)は礼金と同じく交渉が通りやすい費用です。
さらにフリーレントの場合は1週間フリーレント、10日間フリーレントなど細かい割引も可能となるため、1ヵ月まるまるの割引は厳しくても少額の割引なら対応してくれるケースもあります。
詳細記事>>フリーレント交渉の成功率を高める7つのポイントとは?【賃貸営業マンが解説】
付帯商品
室内消毒費用や24時間サポートなど…
契約する不動産会社でセット契約となる付帯商品を外したり値引きできる可能性もあります。
金額はあまり大きくならないものの、不要なサービスであれば相談してみるのも手です。
家賃
礼金交渉やフリーレント交渉など初期費用の面では割引に対応してくれない場合でも、家賃の割引にはスンナリOKをもらえる場合があります。
不動産会社の中には相場よりも多少高く家賃を設定したり、値引き交渉される前提の家賃で募集が出ていたりするためです。
家賃が1,000円でも下がれば2年間で24,000円。
2,000円下がれば48,000円にもなります。
初期費用の割引ができない場合は、家賃の値下げ交渉もありです。
詳細記事>>家賃交渉は可能?いくら下がる?ベストな交渉タイミングや言い方とは?【賃貸営業マンが徹底解説】
建物設備の交渉
初期費用や家賃の割引と違い、建物設備の交渉はオーナーの資産として残るので意外と提案すると交渉が通ったりもします。
- 新しいエアコンを取り付ける
- TVモニターホンを付ける
- ウォシュレットを付ける
- LEDの照明器具を付ける
など…入居者側にとってもメリットがありますし、オーナー側としてもメリットがありますので、希望する設備がある場合は交渉をしてみましょう。
礼金が割引されるよりも快適な入居ができるかもしれません。
仲介手数料の割引交渉はあまりおすすめできない
仲介手数料の割引交渉をしたがる方も多いですが、仲介手数料の場合は仲介不動産会社が割引分を負担しなければなりません。
そのためあまりしつこく仲介手数料の割引交渉を行うと、担当営業マンとしても良い気分にはならないでしょう。
担当営業マンに嫌われてしまうと、結果として通るはずだった礼金やフリーレント交渉まで通りづらくなります。
ですので筆者は仲介手数料の割引交渉に関してはあまりおすすめをしていません。
関連記事>>仲介手数料の値下げ交渉は可能?7つのコツと3つのおすすめしない理由
仲介手数料を抑えたい場合はもともと安い不動産会社への来店が良し
仲介手数料の値引きは、礼金交渉やフリーレント交渉に比べてかなりハードルが高いです。
ですので、仲介手数料を抑えたい場合は、もともと仲介手数料が安い不動産会社へ来店することが望ましいです。
仲介手数料が安い不動産会社を紹介している詳細記事もございますので、よろしければ参考にご覧ください。
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つまりスムーズなら初期費用0円で契約が可能ということですね。
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「分割払いにしたいけど手数料は払いたくない…」
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礼金交渉についてまとめ
今回は礼金交渉について詳しく解説いたしました。
礼金はうまく交渉すれば比較的交渉が通りやすい費用です。
また、礼金は交渉されることを前提に設定されているケースもありますので、礼金が付いている物件はダメ元でも値引き交渉を持ちかけてみることをおすすめします。
是非この記事を参考にお得に賃貸契約を結んでいただければ幸いです。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。