「これから賃貸物件の部屋探しをするけど…
仲介手数料の値下げ交渉ってできるのかな?
値下げ交渉のコツも知りたい!」
このような疑問にお答えします。
筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も保有しています。
賃貸の仲介手数料の相場は賃料の1ヶ月分です。
宅建業法では「仲介手数料は最大で賃料の1ヶ月分まで」と定められているので、多くの不動産会社が最大の金額で仲介手数料を受領していることになります。
そんな仲介手数料を値下げして契約できたら…と誰もが思うことでしょう。
そこで今回は、今までに1,000件以上契約を結んできた筆者が、仲介手数料の値下げ交渉について詳しく解説をしていきます。
- 仲介手数料の値下げ交渉7つのコツ
- 仲介手数料の値下げ交渉をおすすめしない3つの理由
- 仲介手数料ではなく礼金の値下げ交渉がおすすめ
仲介手数料の値下げ交渉の成功率を高める7つのコツをお伝えしていきますが、筆者としては仲介手数料ではなく礼金の値下げ交渉やフリーレント交渉をおすすめしています。
この記事をお読みいただくことで、賃貸契約の初期費用を上手に抑える方法が分かりますよ。
仲介手数料の値下げ交渉7つのコツ
まずはさっそく仲介手数料の値下げ交渉の成功率を高める7つのコツをお伝えいたします。
- 入居意思を明確にする
- タイミングよく交渉を行う
- 他社の見積りと比較させる
- 自社物件を狙う
- 欲張り過ぎない
- 閑散期を狙う
- 担当営業マンと良好な関係を築く
上記の7つのコツをクリアすればするほど、仲介手数料の値下げ交渉の成功率は高まっていきます。
それぞれの項目について一つひとつ詳しく解説をしていきますね。
①入居意思を明確にする
仲介手数料の値下げ交渉を成功させるうえで、入居意思を明確にすることはとても大切です。
「この物件って仲介手数料安くなりますか?」
よりも、
「仲介手数料が安くなればこの物件に決めます」
こちらの方が値下げ交渉の成功率が高いのは間違いありません。
仲介手数料の値下げ交渉を行う時は、入居を決意してから行うようにしましょう。
②タイミングよく交渉を行う
値下げ交渉を切り出すタイミングも重要となります。
不動産会社に来店して早々に、
「仲介手数料の値下げをお願いしたいんですが…」
と申し出たところで、苦笑いされておしまいです。
仲介手数料の値下げ交渉を切り出すタイミングは、入居申し込みの一歩手前の段階で交渉を切り出すようにしましょう。
③他社の見積りと比較させる
違う不動産会社でもらった初期費用の見積りを提示して比較させることも有効です。
検討している同じ物件で見積りが出ていれば一番望ましいですが、違う物件の見積りと比較させることも大きな効果があります。
「じつは別の不動産会社で紹介された別の物件も検討していまして…そちらの物件だと初期費用が5万円程安くて悩んでいるんですよね…こちらの物件の初期費用が安くなればこちらの物件に決めたいと思っていますが、仲介手数料などの値下げは可能でしょうか?」
上記のような形で他社の見積りと比較させることで、値下げ交渉を切り出しやすくもなりますね。
④自社管理物件を狙う
来店した不動産会社が直接管理をしている物件を自社管理物件と呼びますが、自社管理物件での契約は不動産会社にとって非常に利益が高い契約となります。
そのため不動産会社側も、
「自社管理物件なら仲介手数料を削ってでも決めてもらいたいな…」
このように考えているケースは意外と多いです。
ですので、来店した不動産会社の自社管理物件を狙うことで仲介手数料の値下げ交渉が通りやすいと言えます。
⑤欲張り過ぎない
賃料の1ヶ月分の仲介手数料を無料に値下げすることは非常にハードルが高いです。
丸々1ヶ月分の値下げ交渉をしたがために、
「結局1円も安くならなかった…」
なんてことにもなりかねません。
たとえば仲介手数料を0.5ヶ月分の半額に値下げをしてもらうことや、3万円分値下げしてもらうなど…
あまり欲張らずに値引き交渉を行うことも大切です。
⑥閑散期を狙う
賃貸市場には繁忙期と閑散期がはっきりと分かれます。
そして、特に閑散期となるのが7月・8月です。
この時期が最もお部屋探しをされる人が少ないため、物件が長期で空室となりやすい時期となります。
そのため不動産会社も、
「仲介手数料を削ってでも決めてもらいたい!」
このように考えているケースも多い時期と言えますね。
関連記事>>【賃貸営業マンがおすすめする】優良物件が見つかる時期とは?
⑦担当営業マンと良好な関係を築く
最後の7つ目のコツは、担当営業マンと良好な関係を築くことです。
最終的に仲介手数料が値下がりするかどうかは、担当営業マンに掛かっています。
担当営業マンも人間ですので、良いお客様であれば値下げ交渉を頑張ってくれるでしょうし、良好な関係を築けていないのであれば適当に交渉するだけして、
「交渉ダメでした…」
で終わらせてしまう担当営業マンもいるでしょう。
また、担当営業マンはお部屋探しから入居申込、契約、鍵の受け取りまで…
最後まで関わる人物となります。
交渉事に限らず、スムーズに気持ち良く新生活を迎えるためにも、担当営業マンと良好な関係を築くことは非常に大切です。
仲介手数料の値下げ交渉をおすすめしない3つの理由
ここまで仲介手数料の値下げ交渉のコツを7つお伝えいたしました。
しかしながら、筆者としては仲介手数料の値下げ交渉をあまりおすすめしていません。
その理由は下記の3つです。
- 礼金交渉・フリーレント交渉の方が成功率が高い
- 担当営業マンと良好な関係を築きづらくなる
- 仲介手数料は不動産会社に支払うべき費用だから
こちらもそれぞれ詳しく解説をしていきます。
①礼金交渉・フリーレント交渉の方が成功率が高い
仲介手数料の値下げ交渉というのは、じつはかなりハードルが高いです。
その理由は、仲介手数料の値下げ=仲介不動産会社の利益を削ることになるからです。
賃貸契約の初期費用の中で、最も値下げ交渉が通りやすい項目は礼金となります。
礼金がない物件の場合は、フリーレント交渉(前家賃無料)が有効です。
礼金やフリーレント交渉の場合、割引の負担分は仲介不動産会社ではなく、オーナー(管理会社)となります。
もちろんオーナーや管理会社も割引分を負担することは嫌ですが、それよりも入居のチャンスを逃して長期的に空室となってしまうリスクの方がよっぽど怖いのです。
一時的な礼金の利益よりも、空室期間を短くしてより早く・長く家賃をもらえる方がよっぽど得ですよね。
ですので、仲介手数料よりも礼金やフリーレントの方が値下げ交渉の成功率が高いのです。
また、上手な礼金交渉の方法は下記の記事を参考にご覧ください。
②担当営業マンと良好な関係を築きづらくなる
仲介不動産会社にとって、仲介手数料は利益の中心となるお金となります。
ですので仲介手数料を値下げすることは、本当に最終手段となるケースが多いです。
その値下げしづらい仲介手数料をしつこく値下げしようとするお客様に対しては、担当営業マンも良好な関係を築きたくはないでしょう。
良好な関係を築けなければ、通るはずだった礼金やフリーレントの値引き交渉も通らなくなってしまいますし、鍵の受け取りまで気持ち良く終えることができなくなることも考えられます。
③仲介手数料は不動産会社に支払うべき費用だから
そもそも仲介手数料は、物件の紹介から契約手続き、入居までのサポート・サービス費用として入居者が不動産業者に支払う費用です。
不動産業者がお客様に行うサービスとして、簡単にまとめると以下のようになります。
不動産業者がお客様に行うサービス
- 物件の紹介、物件の内見案内
- 貸主(オーナー)への交渉
- 契約手続き(書類作成や重要事項説明)
- お部屋探しから鍵渡し・入居までのサポート
- 管理物件の場合は入居後のアフターサービス
さらに細かく見ていくと、
- 物件問い合わせに掛かる広告宣伝費
- 物件資料に掛かる費用
- 内見案内に掛かるガソリン代などの費用
- オーナーや管理会社と連絡やり取りするための通信費
- 契約書類やり取りの郵送費
- 各スタッフの人件費 など…
一つの賃貸契約を取り交わすだけでも、実にさまざまな費用が発生していますね。
「仲介手数料は上記のサービス料として支払う費用である」
ということをご理解いただければ、多少なりとも仲介手数料を支払う意識も変わってくるのではないかと思います。
仲介手数料を抑えたい場合はもともと安い不動産会社がおすすめ
多くの不動産会社が仲介手数料を賃料の1ヵ月と設定している中で仲介手数料を0.5ヵ月以下としている不動産会社も存在します。
その筆頭が「エイブル」や「ミニミニ」です。
エイブルは全国で約800店舗、ミニミニは全国で約500店舗あるチェーン店で、テレビCMも頻繁に打たれている不動産会社ですからご存知の方も非常に多いと思います。
さらに中には仲介手数料を無料としている不動産会社も存在します。
詳しい仲介手数料が安い不動産会社については下記の記事にて解説をしています。
よろしければ是非チェックしてみてください。
【賃貸営業マンおすすめ】仲介手数料が安い不動産屋5選!【最大無料】
「仲介手数料が安い賃貸不動産屋ってどこだろう? 仲介手数料が安い賃貸不動産屋について知りたい!」 このような疑問にお答えします。 筆者は賃貸営業歴5年の賃貸営業マンです。 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士の資格も[…]
まとめ
今回は仲介手数料の値下げ交渉について詳しく解説をいたしました。
今回ご紹介した「仲介手数料の値下げ交渉のコツ」を上手に活用いただければ、仲介手数料の値下げ交渉の成功率を高めることができるでしょう。
しかし、仲介手数料よりも礼金やフリーレントの方が値引き交渉が通りやすいケースがほとんどです。
仲介手数料の値下げ交渉は控えめに、礼金やフリーレントの値下げ交渉を行うことで上手に初期費用を抑えることができるはずです。
皆様のより良いお部屋探しを心よりお祈り申し上げます。